2014年12月30日火曜日

Capitalism Labをやってみた その2

承前ですが、Capitalism Labについて書かせていただこうと思います。

前回は一通り興味深い改善点を述べましたが、今回はその続編として、ゲームそのものの内容についてです。

なお、今回も私個人が興味を引いた点だけを述べています。その他の改善点や変更点が多々ある点について触れられていない点もあることはご留意ください。

・マルチプレイには対応していません

残念ながらできません。
もっとも、私はこういう趣味を持った友人がいないのでやったことがないのですが、ぜひ他人のプレイをリアルタイムに見てみたい、ということはできません。
マルチプレイそのものはCapitalism2では可能でしたが、一度Capitalism Labをやってしまうと、もうUIとしてもゲーム内容としても戻れないのは明らかで、ここは残念な点と指摘せざるを得ません。

・都市開発が可能になりました

都市開発、というとSimcityなどを思い浮かべると思いますが、さすがにそこまではできません。
しかし、ビルを建てて価値を高めて転売する、というだけではなく、たとえば、居住施設には、たとえば具体的な例でいうと、千葉県のユーカリが丘のようにデベロッパーが何もないところを市街化して、家賃で稼ぐもよし、十分に付加価値を高めた後に転売してもよし、ということが可能になりました(前述のとおり、ビル単体のプレイは前作でも可能でした。市街そのものを開発できる、という点が大きな相違です)。これは前作のようにビルの転売だけではない新しい要素です。そもそも何もない土地を購入しておき、地価を高めて販売する、ということが可能となり、土地成金プレイが可能となりました。これは実際にAIも効果的にやってきます。
ただし鉄道を引いたり交通網を整備したり、というところまでは、残念ながらできません。

住居施設に居住するには周りに自然があるか、職場まで近いか、買い物の利便性はどうか、消防署などの公共施設が付近にあるか、というようなインデックスが用意されています。オフィスビルの場合は、また別の指標があります。
前作ではできませんでしたが、そういった環境整備を自社で行い、新興住宅地の開発ができるようになっています。ここが味噌で、スポーツ施設や公共施設など、自社でインフラをある程度用意することで地価を高め、入居者の満足度を高めて、結果的に高い価値を持つ都市を構築することが可能になっています。

これが意外に面白いです。それに、今作ではオフィスビルやアパートは初手向きの資金稼ぎにもってこいです。初手の攻略は(私もへたくそではありますが)後でまとめたいところですが、これもいい初手戦略の一つです(もしかしたらCapitalism2でもそうだったのかもしれません。不徳の致すところで旧作ではやったことのない初手戦略でした)。
いい場所を選んで建設すれば、座してお金がたまる優良な資産となってプレイヤーの頼もしい味方となってくれることは間違いありません。その上がりで、事業を拡張することが容易になります。

・資源の独占が困難になりました

資源と表現しているのは、木材や石炭、アルミニウム等の採掘、伐採などの天然資源のことを指しています。
今作では資源を確保するために膨大な土地代を支出する必要があり、よほど地価が低いところにある優良な資源でもなければまず序盤に所有することは困難です。そして、これは(ほしい資源を自社で買うにはあまりに高すぎる、とった具合で)中盤まで頭を悩ませる要因にもなっていて、ゲームの面白味を高めているという印象です。

それに、資源の独占そのものがゲームシステムによって許されません。
AIを含めたプレイヤによってすべての資源を各社によって占有された場合、直ちに新資源が発見されてしまうシステムになっています。これによって、原材料の品質はランダムなようですが、完全な独占は不可能となっています。

地価が膨大な点もあいまって、資源を独占して他社へ暴利で売りさばく、ということが不可能になっており、逆にプレイヤーにとってAIに独占されて作れない工業製品ができない、というバランスになっています。

・製品が(ある程度)一新されました

大幅に一新されているわけではありませんが、冷凍鶏肉からいきなり缶スープができていた前作と異なり、そこにアルミニウム(普通は鋼鉄じゃねぇの?というツッコミは日本の常識にとらわれすぎであるのかもしれません)が必要となったり、ある程度合理的な改変が加えられています。
また、新製品が結構追加されており、Capitalism2をプレイしまくった方にも新鮮味を加えています。

それに、なによりも面白いのは、時代を経て、最初は携帯、次はカメラ付き携帯、次はスマートフォン、と、時代を経て需要が変化するというシステムが採用されたことです。
古い時代に製品開発に成功してカメラを製造、販売して成功していても、ある時点でデジタルカメラが登場した途端、消費者の興味は一気にデジカメにうつる、というシステムが実装されています。
これは(繰り返しで恐縮ですが)きわめて面白い試みです。Capitalismの名に恥じない面白さに直結する試みだとおもいます。
ノートパソコンは開発成功後絶大な人気を誇りますが、その後タブレットとか出てきて、ある程度人気を奪われますが、ノートパソコンそのものが無価値になる、ということがない、という製品もあります。全く人気がなくなったり(どの製品がそうなるかはプレイしてのお楽しみですので是非やってみてください)、一定の需要があったり、そのあたりの呼吸のバランスが経済ゲーとしてリアリティを生み出しており、面白さにつながっている点には素直にゲームデザイナに感謝したいところです。

ただし!アルミニウムなど採掘、伐採資源を自給するには前述のとおり膨大な初期資金が必要です。
計画的な経営戦略が必要になっている点が、この例でもお分かりいただけると思います。

・広告媒体を自社で設立できるようになりました

Capitalism2では政府所有の新聞社、ラジオ、テレビ局を買収することで自社化できていましたが、今作では、まずAIに先に買われてしまいます。というより、自社よりAIの成長速度が猛烈に早いため、AIに先んじて買うことはまず困難と言っていいでしょう。
そこで、AIに広告料や手数料を支払い続けていなければならないか・・・ということはありません。
今作では広告媒体そのものを設立することが可能となっています。
広告媒体は今作でも相変わらずテレビ、ラジオ、新聞社の3種だけですが(googleなどネット関連企業とかあれば面白かったかもしれませんね)、自社関連企業として設立して、番組の開発費用をかけることで視聴者、聴取者、購読者を広げて広告シェアを伸ばすことできわめて優良な傘下企業として育てることが可能になっています(これも相当儲かる事業となります)。
製造や小売りではAIに負けても(AIはかなり強いです)、メディア部門で独占することは可能です。
メディア王プレイも可能になっていますので、是非このプレイも試していただきたいところです。

・倉庫が実装されました

これは、たとえば革製品を全都市に展開するにあたって1農場では足りない場合、管理するには工場を倉庫代わりにして複数ある各農場から買ってまとめるというようなことをしていた方もいたと思います。それを格安なコストで実現できる機能が実装されたということです。
初期展開に成功した場合、都市数にもよりますが、4都市以上でははっきり言って革製品の場合3農場、4農場は必要です。自動車やコンピュータなどに手を出した場合、鉄鋼などもそうでしょうし、原材料で木材やらコスメ、医薬品などをを扱っている場合には膨大な量のchemical materials(和名なんだっけ?コレ)が必要となります。

特に原材料の場合、意外に早く原材料を出荷する会社(Firm)の採掘は枯渇しがちなので、そこを倉庫にまとめておけば入荷する工場の手間は省け(つまりプレイヤーの再リンク作業が省け)、品質が60だったり90だったり一定しない品質を一定に保てるというメリットもあります。倉庫内で自社ブランドのラベルを張ることもできます、リテール事業縛りをしている場合には有効でしょう。なにせ小売店で自社ブランド化する工程を省けるので、小売りそのものの事業に専念してもらうことが可能になります。コストの分散化、経営分析(どこが金食い虫なのか?という判断など)が切り分けやすくなるというメリットもあります。地味ですが、前作にはない要素ですのでこれは嬉しいところです。

またまたずいぶん長くなってしまいました。
老人は体力がないので、今回はここまでとさせていただき、次回、引き続きご紹介させていただければと思います。

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