2023年5月8日月曜日

在宅酸素療法に用いる酸素濃縮器三種

在宅酸素療法に用いる酸素濃縮器を3種類体験する機会があったので記録する次第です。

なお、就寝・安静時1リットル、労作時3リットルを前提にしています。

  • ライトテック-5A (ダイキン工業の据え置き型)
    連続流量5リットルまで可能で、動作音が静か。現在は二部屋隔てていますが、運用開始からひと月程度、設置の都合で枕もとの近くで稼働させたのですが問題ありませんでした。チューブ最大長は15m。
    転院に伴い一度お別れしたのですが、後述の機械からこれに戻したらあまりの静寂さに一気に気持ちが軽くなりました。日常生活における静かさの重要性をかみしめています。
    また、送出する酸素の加湿が可能なので、鼻の粘膜が助かります。
    重量は20kgあるので、模様替えの際に一人で持ち上げようとすると腰をやられるかもしれませんから要注意です。

  • シンプリーゴーミニ (フィリップス製の携帯型)
    同調のみなので就寝時には使用できません。また、同調のみなので呼吸を検出するためにチューブ長は最長3mです。完全に通院などでの持ち歩き用です。バッテリーが交換可能かつ容易で、サイズが大小2種類用意されています。動作音は大きいです。重量は2.3kgで専用のバッグがポーチ型とデイバッグ型の二種類用意されていて空気や熱がかばん内にこもらないような工夫されているのは便利です。携帯型は機械本体の性能だけでなく、つまりは持ち運びが容易であってこそ真価を発揮する、ということがメーカにはよくわかっていてトータルで提案するのだな、というメーカーのメッセージを感じました。
    最新型では電源コネクタが改善されて挿入する向きが特定されなくなりました。
    (余談の余談ですが、最初に病院で訓練のために渡されたのがこの機械だったのですが、それがすごくわかりにくい故障をしていたので、第一印象は最悪でしたが、その後に利用した結果、その印象は消えました)

  • ハイサンソ ポータブルαII (帝人ファーマの携帯型)
    連続流量1リットルまで可能。それ以上は同調。そのため、前者二者の組み合わせのような据え置き用と携帯用を一台で兼ねることができる・・・?
    実際に使ってみると、24時間運用の前提ではありえない爆音でした。この機種に限らず携帯型を標榜する機種は大抵動作音が大きいようなのですが、やはりこの機種も深夜ともなると二部屋を隔てていてさえ地響きのような動作音にはまいりました。
    連続時は10mまでチューブを接続可能。同調時は3mまで。
    そのため、チューブ長を3mに合わせて常に持ち歩くという運用だと4kgという重量がネック。毎度電源を抜いて手で持つか台車を引きずってトイレや台所に行くか、入浴時や洗い物などの労作時にのみ電源を抜いて手で持つか台車を引きずっていくか。
    なお、この機種の名誉のために断っておきますと、携帯可能かつ連続が可能で4kgなのはとても立派で、他社のほかの機種はもっと重いです。
    ていうか、他社製もそうですが、連続が可能な携帯型の機種は総じて重量に加えてあの大きさと形では携帯型と言い切るにはかなり強い信念が必要な気がします。携帯型というよりは運搬可能型というほうが適切な感じです。普段持ち歩くものではないが止むを得ない場合の移動は簡易であるというニュアンスです。
    バッテリは自分で交換はできないみたいですが、最初からなぜか二つも搭載されています。バッテリは重量があるので、短時間の外出には一つだけつけてゆくといった選択肢はないみたいです。
    また、点検は半年に一回だそうです。前述の機種は三か月に一回なのですが、このエアフィルタも交換できない機種にもかかわらず半年も放置で24時間稼働させることができる医療機器とは実に素晴らしいと思います。
労作時だけ使う人ならどうでもいいことでしょうが、一生24時間365日寸刻も欠かさず付き合ってゆくのですから、とにかくいろいろな組み合わせがありますからもっと静かな機械や軽い機械、使いやすい機械があるかもしれないことを念頭に置いておくと幸せになれるかもしれません。

もし変更を希望するなら、病院や場合によっては先生ごとに契約している酸素濃縮器の納入業者が異なるので、どうしても対応してくれない病院だったなら、まずは気に入った機種を扱う業者に取引先の病院を教えてもらって確認してから、その病院に転院したほうが話が早くていいです。
また、本当は据え置き型と携帯型の二種類の酸素濃縮器を同時に借り受けることは保険金が業者さんに支払われないので制度上はありえないはずなのですが、実際には酸素ボンベも二回目以降の配達は業者さん持ちなので、医師の先生の指示さえあれば、据え置き型と携帯型の二台の酸素濃縮器を同時に貸し出してくれる業者さんもおられますし、その旨をホームページに明記なさっている業者さんもおられます。肉体的に週に何度も外出できる場合は医師の先生に相談なさるとよいかと思います。
なお、当ブログで言っているとかグーグル検索で検索できたからとか言ったって、先生がダメだといえば当然だめです。その点ははっきり申し上げておきます。

以上です。

以下余談です。

9か月ほど前の去年の夏、コロナ禍の真っ最中に10軒以上断られまくってもあきらめずに連絡を取りまくってくださった救急隊員の皆様のおかげで、自宅からかなり遠方になりましたが、ようやく救急車で受け入れてくださった病院に入院できました。

半月ほど入院したのですが、病因が確定するまで最低でも二か月ほどかかるため、一度退院することになりましたが、肺機能が普通の人の20%ほどにまで破壊されているためそのままでは退院することができず、在宅酸素療法を開始する条件で退院させてもらえることになりました。

そのため、治療のために通院することは当然ですが、その後に仮に病気が治ったとしても肺に空いた穴は二度と元に戻らないので、肺移植をするか在宅酸素療法を継続するために月に一度は必ず通院しなければなりません。

しかし、安静にしていれば酸素のおかげでずいぶん楽なのですが、酸素を吸っていても数歩歩くだけで呼吸が苦しくて動けなくなってしまうことはどうやっても防げません。おまけに肺に巣食う悪者がちょっと息が上がったり笑ったりするだけでものすごく咳き込ませてくれるのでコロナ禍の真っ最中に誠に物騒な病状です。

それでも、通院のために病院に行かねばなりませんから、実際に駅までタクシーで行って、タクシー降り場から券売機まで行こうとしたのですが、2~300m程度だと思いますが、たどり着くまでに30分以上かかってしまいました。この時点までで見かねた警察官の方やほかの親切な方に何度も手助けを申し出られ、さらにここから先、さらに長い距離をプラットフォームまで歩くことになりますので、これはもう私が歩くだけで世間様へ迷惑になることがよくわかってしまい、もう実際上は無理だということが嫌というほどわかりました。いくら贅沢でも目的地までの全行程でタクシーを使わざるを得ないと断念しました。

ところが、受け入れを断られまくった結果として通院には往復二万円ほどのタクシー代がかかってしまう遠方の病院で受け入れてもらっていたので、その費用がばかにならず、いやいやながら先生と話し合って近場の病院に転院することになりました。
こんなわけで複数の酸素濃縮器に触れることができたのでした。

以上、たわごとでした。

ここまでお読みいただいて誠にありがとうございました。

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