2015年2月21日土曜日

Total War: Rome II をやってみた

steamで75%引きだったので、何度か聞いたことあるタイトルだし、まあ安いや、と思って、DLCもまとめて勢いで買ってしまいました。

気づいたらなんだかんだ言って計4000円弱。DLCの数がかなり多かったのが効きました。
最初からほしい、と思って買った場合はどおってことないけど、とりあえず、って時には高いか安いか微妙な額に。

早速、タイトル通りローマが主役なんだろうってことでグランドキャンペーンをローマでクリアしてみたものの、ものすごい作業感あふれる行動の繰り返しだけで終了。
終盤では、もはや苦痛を感じつつクリア目前だから頑張ろう、と自分に言い聞かせながらプレイする始末。
・・・これでは、何が愉しいのか自分でも意味不明な状況に。
せっかく買ったゲームを一番やっちゃいけない(自分自身でつまらなくする)プレイ方法でやってしまったという感じ。

始めた当初は、絵はきれいだし、ターン制ストラテジで内政と外交、戦闘時はリアルタイム、と完全に分離されている点に新鮮味を感じましたが、すぐに一番のキモと思われる戦闘がつまらないのと時間がかかりすぎて、あまりに面倒くさくなって自動戦闘任せになってしまいました。
ターン間の待たされ具合もかなり効果的にやる気をそいでくれたのも苦痛の原因の一つ。

結局初回プレイでは、戦闘に魅力を感じなくなって、圧倒的兵力を用意して自動戦闘で轢殺していくだけの繰り返しに。

結局グランドキャンペーンを終了するまでに総戦闘回数のおよそ200回のうち、手動戦闘はたったの3回しか行わない始末。
有志によって日本語化されていることと(特にこの手の歴史を題材としたゲームは、フレーバーテキストが日本語化されているというだけでやる気が増すと思います)、ゲームそのものの舞台が塩婆の小説は全部読んだし、それなりに興味がある世界だったのでなんとか最後までグランドキャンペーンをやり通せたっていうところ。

このゲームのプレイ方法としては自分でも完全に間違っていると思います。
こういうプレイをすると圧倒的につまらなくなるということはわかりました。

一度キャンペーンをやりきってみた結果から察するに手動戦闘部分がこのゲームの醍醐味で、ターン制ストラテジのほうがおまけだとようやく気づきました。
それなのに、今回はおまけのほうばっかりやっていたわけで、このゲームの神髄が理解できていない自覚がひしひしとします。

RTSは初代AOEからAOK,AOC,AOM,などは結構、(大昔ですが)対人もそれなりの成績だったけど、チュートリアルの時には感動した戦闘も、実際のキャンペーン時には、もう序盤からシステム上の参加部隊数上限で戦闘するようになってしまい、操作対象が多すぎてズームアウトして全体を俯瞰して操作する必要があるので、せっかく絵がきれいでも点にしか見えない。さらに練習不足もあってキー操作が複雑で追いつかない、覚えきらない。

そもそも操作も満足にできないのだから戦闘が面白くなるわけがないのですが、戦術部分がおまけで戦略を達成する手段なんだと勝手に思い込んでいると、その割にはいたずらに操作性が煩瑣だとしか思えず、覚える気にもならなかったわけですが、逆に戦略なんぞおまけだとわかってみればなんてことはないわけで、これこそがこのゲームでやるべきことなのだからできることは多いほうがいい、というわけでした。そういうことなら話は変わってくるわけです。

戦闘時間が長くてうんざりしたのも、初回プレイでは戦略ゲーだと勝手に思い込んでいたため、戦術部分になんでこんな時間がかかるのかという印象によるもので、このゲームはひたすら戦闘を行うことが主題なのだとわかってみれば、むしろ戦闘が長いのは当たり前という、どうしようもなく間抜けな理解に達しました。

一番重要な要素である戦闘がつまらないと感じているようではどうしようもないので、RTSはもう年齢的にダメなのかな、という気もちらと脳裏をかすめるものの、とにかく手動戦闘の操作に慣れなければ話にならないわけですが、さすがにこれがメインだけあってこれがまたずいぶん凝った操作ができる反面、代償として操作が大変に煩わしいという悩ましい二律背反。

前進・後退は当然として、歩く、走るの切り替え、横移動、その場で回頭、反転、複数の部隊で編成を維持しながら移動・攻撃、各部隊ごとの陣形の選択や攻撃手段の選択・・・おまけにユニットの種別ごとにとれる陣形や攻撃手段が同じ近接攻撃部隊でも異なるという念の入れよう。

これを覚えたら今度は地形効果やユニットごとの特徴と効果的な行動を覚えなくてはならない。当然やらなくてはゲームにならないだろうと自分でも鼻で笑うレベルだけど。

ほかのRTSなんかだと駒をみりゃたいていわかる場合が多いんだけど、1ユニット当たり100人程度で構成されている部隊なのでパッと見わからない。
おそらくそれがわかっているので部隊旗が用意されていて、部隊ごとにそれを持ってはいるんだけど、基本は近接{歩兵|騎兵}、射撃{歩兵|騎兵}、それぞれさらに{重|中|軽}装、武器は剣、槍、投槍、投石、弓などとさらに細分化されていく。さらににバリスタなどの器械まで非常に多彩なユニットが登場。
種別の組み合わせで部隊旗が決定されるので、覚えてしまえばわかりやすいといえばわかりやすいといえるのだろうけど、パッと見ごちゃごちゃしていて、とても見づらい・・・

反面、前述した要素すべてを理解したら面白くなるはずなので、とにかく手動戦闘の練習あるのみ、といった感じでしょうか。
お手軽じゃないのは確かですが、これができなければ、このゲームの醍醐味は味わえないことは今回のプレイでよくわかりました。

親切なことに、戦闘に参加している各部隊の一部や全部をAIに委任して攻撃なり防御なりしてくれるという機能もあって、たとえば歩兵部隊はAIに丸投げして自分は騎兵部隊だけ掌握、なんてこともできますが、これまた自動戦闘と何が違うんだ、と思うと・・・

今回のようなこんなプレイの仕方だったら、はっきり言ってHoI2やHoI3のように兵科記号だけでいいわけで(このゲームでも,その部隊の種別を表す部隊旗を各部隊の旗手が持っていて遠目で種別がわかるようになっているし、部隊旗だけが表示される戦術画面も用意されています。さすがに歴史があるシリーズらしく、そのあたりは考えられているようです)、それをやるくらいならこのゲームである必要がないようにも思えてしまうので、やっぱり手動戦闘こそこのゲームの存在理由なんでしょう。

ターン制ストラテジ部分は、やはりおまけですね。・・・大味すぎる。
一例をあげると、領土が拡大するにしたがって汚職が増えるのはいいと思うんですが、徐々に汚職が広がるのではなくて支配地が増えた瞬間にドカンと増える。
なので、大国と戦争になってしまった場合、馬鹿正直に戦争してしまうと一気に占領地が増えてしまうのですが、1万デナリウス?(勢力ごとに通貨単位が違うからか、単位が明記されていないのは雰囲気が壊れず、ゲーム内で下手に統一するよりとてもいい配慮ですね)ほどあった税収が、数州抑えただけで一気にマイナスに転じてしまう。

占領地の維持費という名目なら納得できるのですが、そんなものは存在せず、単純に全国の汚職による税収減。何だこりゃ、と思ってしまう。

特に共和制ローマって徴税って民間請負制で、請け負った人自身が予定額を国庫に払う代わりに、その分を権利を与えられた地域から徴税するよ、というシステムだったはず。領土が広がった瞬間応札価格が下がるかというと考えづらく、とにかく税収が下がっていく。
そんなに一気に各支配地からの税収が減ったらオカシイ、と中央が気づかないのかよ、というようなもやもや感。

領土拡大に対するペナルティは必要で不満はありませんし、単純化は必要なのは理解できますし、パラドゲーじゃないんだから気にスンナ、と言われてしまえばその通りなのですが、ローマ世界というせっかくの雰囲気が台無しになっているような。デザイナとしては頭の痛いところだと思いますし、勝手なことを言っていると自分でも思いますが。

逆に言えば、領土を拡大するなら最終的には増税以外に選択肢がない。
もちろん、理屈上は拡大しなければならないということはなくて、軍事同盟を駆使する等すれば勝利条件の達成には問題ないのですが、そんなに都合よく外交がうまくいくわけがないわけで、どうしてもある程度の軍事力と、軍事力を支える将軍数のために領土拡大が必要になってしまう(領土の広さに応じて保有できる軍団数=将軍数が増えるため)。

重要な点は、割合簡単に上限いっぱいまで増税してもまだみんな大喜びっていうほどの満足度にできてしまう点。これではやりがいなんてありゃしない。しかも、それが唯一無二の内政方針。食糧不足なんか起こすほうが難しいのではないかと思います。

こんなの内政って呼んでいいのかどうか迷うレベル。建築物も用意されているスロットを埋めるだけだし。と思っていましたが、これはおまけだとわかってしまえば、まあこんなもんか、という気分になるから不思議。

また、政治的には元老院で自勢力を伸ばして内戦を起こさせることも可能ですが、こんなのわざわざやるメリットがどうも見当たらない。自勢力を伸ばせばなぜか税収は上がりますが、デメリットが大きすぎて、まるで何のためにあるのかがわからない。
逆にどうしても内戦が起きてしまうから対策が必要か、というとそんなことはなくて、ほっとけば何も起こらない。これもまた、フレーバー的要素なのかもしれません。内戦を起こしていない国のほうが珍しいですし、必ず起こすような縛りを入れると(ちょっとばかりマゾいような気もしますが)、ゲームの舞台を広げるいい風味づけになるのかもしれません。戦闘する動機づけが多くなれば多くなるほどいいわけですから。

あとスパイなどのエージェントはなんで用意しちゃったんでしょうね。
今回はローマでやってしまったので、大国では使っちゃだめですね。エージェントはすぐに利用をやめました。
小国での序盤低軍備諜報活動プレイなら・・・あってもいいのかな。
序盤にスパイがいないと無理な勢力もあるのかもしれません。

外交に関しては、敵対国を絞って戦略的に優位に立つことや共同戦線を張ったりすることもできて、この部分だけは内政と違ってまだまともです。
ですが、宣戦してきた次のターンで賠償金を提示して停戦を求めてくるなどといったふざけたAIには辟易します。また、属国化しても属国に外交権があるというのも意味不明。他国の属国が同盟を求めてくるとか、属国同士で交戦するとか。この辺は所詮はおまけだと思って見なかったことにするしかないんでしょうね。
外交を駆使して貿易立国を目指そうにも、発狂したようなAI国家のせいで同盟関係がぐちゃぐちゃになって挙句に戦乱に巻き込まれて結局領土拡大プレイになってしまう感じ。
実質的には多勢力と同時に戦争にならないようにするためだけにあるという感じですが、まあ、それができるならそれでいいかな、という程度です。内政と違って選択肢はあるわけですから。

ただ、なんだかまるでくさしているような書き方をしてしまいましたが、私自身はこのゲームのフレーバーづけにはこのターン制ストラテジ部分は大変有効だと思いました。
なんか惜しいな、と思わせるところまでは出来上がっていて、これの進化系を是非見てみたい、と思わせてくれる出来だと思います。まあ、そうなってしまうと別のゲームになってしまうのかもしれませんが、とにかく惜しい気がします。あともう一揉みすると化けると思うんですが。

例によって長文となってしまいましたが、まあこんな感じで、カスタムバトルだけじゃ飽きるでしょ?対人もできますよ?って方向もありますが、対人はどうも・・・という人向けに、じゃあ戦闘する動機づけにいかがですか?キャンペーンをクリアするまでに膨大な回数の戦闘を楽しめますよ?という提案をしてくれているわけですから、それを楽しまなければ損ですね。

このシリーズは初めてだったのでまったく当然だろう、と言われるようなことを書いているのかもしれませんが、地中海世界の統一とかパックス・ロマーナとか本当にどうでもよくて(私はてっきりそっちが主題かと思っていたので)、とにかく各勢力ごとのユニットを見てにやつきながら戦闘を繰り返す、というのが主題のゲームだということだと思います。
もっとも、それにしてはリプレイじゃないととても見ている余裕がないという点は残念ですが、これは私の能力不足のせいですから文句は言えないところです。

とにかく自分の能力不足のせいでハマる、というところまでは現在のところ達していませんが、様々な魅力を感じることは確かな作品だと思います。

それにしても、ユニットの特徴を覚えて、操作を覚えて、駒の動かし方を練習して、最終的には40部隊の操作を軽々と手動でやり遂げる日が来るのだろうか。
できなければ折角のゲームの魅力を自らスポイルさせているわけですから、ぜひできるようにはなりたいところですが、とにかく練習を重ねていかないとだめでしょうね・・・

HoI4が来るほうが先になりそうな予感・・・(早速発売予定が延期されましたねぇ)

以上、万が一私のようなプレイ方法や印象を持ってしまってつまらない、と思ってしまった方がいらしたら、こういう見方をするとまるで違って見えますよ、ということで、恥ずかしながら勘違い記録を含めて本作の印象を書いてみました。

こんな勘違いをするような人がほかにいるかどうか、は、まあ・・・

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